チャーチル会岡山 会員作品
長谷川 幸子

「 サンタフェ プェブロの想い出 」


  何年前になるでしょうか アメリカのアリゾナ
  州のサンタフェで野外オペラ”蝶々夫人”を観に
  行った時、抜けるような碧い空、土で出来た建
  物、乾き切った砂の上に懸命に生きる草の緑が
  印象的だった。
  プェブロの想い出のスケッチから油彩にした一
  枚です。

                     2024/02
「 あづまや(椿)」  油彩  F10号

 久保田万太郎の詩だったかと思いますが「寒の明け
ない寒さの中、霜囲いと言われる葉にかくれて一輪咲
いている様が……」おぼろな記憶の中にあります。

昔武家では、椿は首が落ちる、と祝事の席などには以
ての外と忌み嫌われていたようですが、絵を描く私共
には春陽に照らされた葉の輝き、花の紅の鮮やかさ、
花芯の黄の細かい粒であっても存在感のある雄しべの
可愛らしさ、全てが魅力的で大好きです。

この花が葉隠れに咲き霜から護られている様が毎年や
ってくる早春の楽しみな風情です。
 一度描いてみようと思っていたのです。

年末に片付けをしていて、物置の中より見つかった
ひょうたんの手作り花器。このまま置いていればやが
て壊れてゴミになってしまうことでしょう。

これに椿を活け「あづまや(椿)」として描いて残そ
うと悪戦苦闘しました。

春を待ち心で過ごす頃室内に飾りましょうか、自分の
慰めに.....
                 2021/05